第2話)「90個の布地から手作業で創る小さな鞄」の続き! さて、90回の手裁断を行ったあとに待っている工程は・・・ 裁断した90ピースを「すき」の工程にかけるということ。 「すき」というのは表生地の「裏面」を「剥いで」薄くする工程なのです。 なぜ、そのようなことを1ピース1ピースするかというと・・ 1つは 芯地を貼り付ける際に 剥がれにくく、貼り付けやすくする、という意味 もう1つは 鞄として組み立てていく際 接合したり、端になる部分について 折り返して縫製をしても 同じ厚さになるように「へり」にはさらに薄さを持たせるためなのです 下記の画像、左手が「すく」前の布地。 右手が裏を「すいた」後の布地。 そして、全体を「すく」だけでなく 鞄として組み立てていくための張り合わせ部分は 再度「すき」をかけてのヘリの部分をさらに薄くします↓ 全体に芯地が貼り付きやすくするための「べたずき」のあと さらに、ヘリに「すき」をかける「へりすき」 この工程では圧を間違ると布地自体が切れてしまうおそれもあるため 非常に慎重で技術のいる工程なのです それを・・・なんと90ものピース、それぞれの設計役割にそって ことなる「すき」をかけていくのです・・ 金型による「手裁断」に続き、 とても気が遠くなる下準備です・・ そして、次は「糊付け」 90個、すべてのピースに手付けで糊付けをし、「芯地」をはっていきます 表地だけではうすくて、しっかりした鞄にならない。 まずは糊を部分的に塗り 芯地をおきます ピースごとに 慎重にあるべきパーツにだけ芯地を張っていきます 今回の鞄の素材は特に糊の乾きがはやく…